暴力団対応のてびき

法令編

1.暴力団対策法の要点

第1 公安委員会による「指定暴力団」の指定

暴力団対策法では、公安委員会が指定した「指定暴力団」に所属する構成員(指定暴力団員)に対して、一定の行為を行うことを禁止し、その行為を行うことを規制の対象としています。平成27年8月六代目山口組が分裂し、新たに「神戸山口組」が結成され、平成28年4月15日「神戸山口組」が公安委員会から指定されましたので、指定暴力団は、山口組、住吉会、神戸山口組、稲川会等22団体です。なお、指定暴力団には、指定暴力団の傘下組織(団体)も含まれます。

第2 いわゆる「グレーゾーン行為」の規制

これまでの法令では取り締まることが困難であった暴力団員による違法すれすれの巧妙なグレーゾーンの行為を規制しました。
指定暴力団の構成員が、その組織の威力を示して、資金獲得のために金品等を要求する「暴力的要求行為」(27類型)が禁止され、違反者に対しては、中止命令又は再発防止命令が発せられます。そして、この命令に従わないときは刑罰に処せられます。
また、平成9年の暴力団対策法一部改正では、指定暴力団員以外の者が指定暴力団の威力を示して行う不当な要求行為を「準暴力的要求行為」として規制の対象としました。

第3 市民生活に対する危険防止のため、公安委員会が講じる措置

指定暴力団相互間の対立抗争事件にともなう組事務所の使用制限や、組事務所又はその周辺において粗野・乱暴な言動を行うことを禁止しています。
又、指定暴力団員から暴力的要求行為等を受けた被害者が、公安委員会(警察)に対し、被害回復のため援助を申し出る制度を設けたり、被害予防のための事業者に対する支援等についても定めております。

第4 暴力追放運動推進センター制度

暴力団員による不当な行為の防止及びこれによる被害の救済に寄与することを目的として設立された公益法人を都道府県ごとに暴力追放運動推進センターとして指定する制度を設け、官民一体となった暴力追放運動を推進しています。
愛知県では、「暴力追放愛知県民会議」が、平成4年6月12日に愛知県公安委員会の指定を受けました。

2.暴力団対策法で禁止されている行為

暴力的要求行為の禁止

暴力団対策法では、指定暴力団員の行う一定の反社会的な不当な行為を「暴力的要求行為(27類型)」として禁止しています。
この禁止規定に違反して暴力的要求行為を行い、又は繰り返して行う虞がある場合には、公安委員会又は警察署長から必要な「中止命令」又は「再発防止命令」が発出されます。

暴力的要求行為・27類型(法第9条1号~27号)

◇1号◇ 口止め料を要求する行為
人に対して、企業や団体の不正な経営内容や異性問題のスキャンダル等、人に知られていない事実の宣伝又は公表にかこつけて、口止め料として金品等を要求する行為。
口止め料を要求する行為
◇2号◇ 寄付金や賛助金等を要求する行為
人に対して、寄附金・賛助金、その他名目のいかんを問わず、みだりに金品等の贈与を要求する行為。
寄付金や賛助金等を要求する行為
◇3号◇ 下請け参入等を要求する行為
建設工事等の請負業務の発(受)注者に対して、その発(受)注者が拒絶しているにもかかわらず、下請参入、資材の納入等の受入れを要求する行為。
下請け参入等を要求する行為
◇4号◇ みかじめ料を要求する行為
縄張内で営業を営む者に対して、あいさつ料、みかじめ料等名目のいかんを問わず金品を要求する行為。
みかじめ料を要求する行為
◇5号◇ 用心棒代等を要求する行為
縄張内で営業を営む者に対して、日常業務用の物品購入、興行の入場券・パーティ券等の購入、 用心棒料等を要求する行為。
用心棒代等を要求する行為
◇6号◇ 利息制限法に違反する高金利の債権を取り立てる行為
金銭を目的とする消費貸借上債務で、利息制限法に定める利息の制限額を超える利息の支払を伴うものについて、債務者に対し、履行を要求する行為。

利息制限法に違反する高金利の債権を取り立てる行為
◇7号◇ 不当な方法で債権を取り立てる行為
人から依頼を受け、報酬を得て又は報酬を得る 約束をして、債務者に対し、乱暴な言動を交えたり、 迷惑を覚えさせるような方法で訪問したり、電話を かけるなどして債権を不当に取り立てる行為。
高金利の債権を取り立てる行為
◇8号◇ 借金の免除や借金返済の猶予を要求する行為
人に対して、金銭を目的とする消費貸借上の債務 や家賃、購入した物品の代金等の全部又は一部の免除や履行の猶予をみだりに要求する行為。

借金の免除や借金返済の猶予を要求する行為
◇9号◇ 不当な貸付及び手形の割引を要求する行為
金銭貸付業者以外の者に対して、みだりに金銭の 貸付け、手形割引等を要求し、又は金銭貸付業者 に対して、その者が拒絶しているにもかかわらず、 貸付け、手形割引等を要求する行為 。
不当な貸付および手形の割引を要求する行為
◇10号◇ 不当な金融商品取引を要求する行為
証券会社及び投資顧問業、投資運用業等、金融商品取引業務を営む者に対して、その者が拒絶しているにもかかわらず、金融商品取引を行うこと又は、証券会社に対して著しく有利な条件により有価証券の信用取引を行うことを要求する行為。
不当な金融商品取引を要求する行為
◇11号◇ 不当な株式の買取り等を要求する行為
株式会社に対して、みだりに自己株式の買取り又はそのあっせんを要求したり、株式会社の取締役、執行役、監査役、株主に対しその者が拒絶しているにもかかわらず、買取り、あっせんを要求する行為。
不当な株式の買取などを要求する行為
◇12号◇ 不当に預金・貯金の受入れを要求する行為
銀行等に対して、その者が拒絶しているにもかかわらず、預金・貯金の受入れを要求する行為。
不当に預金・貯金の受入れを要求する行為
◇13号◇ 不当な地上げをする行為
正当に使用する権利に基づいて、建物や敷地を使用している者に対し、その意思に反して、これらの明渡しを要求する行為。
不当な地上げをする行為
◇14号◇ 土地・家屋の明渡し料を要求する行為
土地、建物を占拠したり、自己の氏名を表示したり (支配の誇示)して、所有権者、担保権者等が拒絶しているにもかかわらず、支配の誇示をやめることの見返りとして明渡し料等を要求する行為。
土地・家屋の明渡し料を要求する行為
◇15号◇ 宅建業者に対し、不当に宅地等の売買・交換等を要求する行為
宅建業者に対し、その者が拒絶しているにもかかわらず、宅地等の売買・交換をすること、又は売買・ 交換・貸借の代理・媒介を要求する行為。
宅建業者に対し、不当に宅地等の売買・交換等を要求する行為
◇16号◇ 宅建業者以外の者に対し、 宅地等の売買・交換等を要求する行為
宅建業者以外の者に対して、宅地等の売買・交換をすること、又は人に対して宅地等の貸借をすることを みだりに要求する行為。
宅建業者以外の者に対し、 宅地等の売買・交換等を要求する行為
◇17号◇ 建設業者に対して、 不当に建設工事を行うことを要求する行為
建設業者に対し、その者が拒絶しているにもかかわらず、建設工事を行うことを要求する行為。
建設業者に対して、 不当に建設工事を行うことを要求する行為
◇18号◇ 不当に集会施設等を利用させることを要求する行為
暴力団の示威行事の用に供されるおそれが大きい集会施設等の管理者に対して、その者が拒絶しているにもかかわらず、その施設を利用させることを要求する行為。
不当に集会施設等を利用させることを要求する行為
◇19号◇ 交通事故等の示談に介入し、金品等を要求する行為
人から依頼を受け、報酬を得て、又は報酬を得る約束をして、交通事故等の示談交渉を行い、損害賠償として金品を要求する行為。
交通事故等の示談に介入し、金品等を要求する行為
◇20号◇ 因縁をつけての金品等要求行為
人に対して、買った商品、受けたサービスの欠陥等を口実に損害賠償等の名目で、あるいは有価証券の売買で損害を被ったと因縁を付けて損失補てんを要求する行為。
因縁をつけての金品等要求行為
◇21号◇ 許認可等をすることを要求する行為
行政庁に対し、許認可等の要件に該当しないのに許認可等をするよう要求したり、不利益処分の要件に該当するのに不利益処分をしないよう要求する行為。
◇22号◇ 許認可等をしない ことを要求する行為
行政庁に対して、許認可等の要件に該当するのに許認可等をしないよう要求したり、不利益処分の要件に該当しないのに不利益処分をするよう要求する行為。
◇23号◇ 公共事務事業の入札に参加させることを要求する行為
国・地方公共団体等に対して、国・地方公共団体等が行う売買、貸借、請負等の契約の入札に関して、参加資格がない者や指名基準に適合しない者を入札に参加させるよう要求する行為。
◇24号◇ 公共事務事業の入札に参加させないことを要求する行為
国・地方公共団体等に対して、国・地方公共団体等が行う売買、貸借、請負等の契約の入札に関して、参加資格がある者や指名基準に適合する者を入札に参加させないよう要求する行為。
◇25号◇ 人に対し、公共事務事業の入札に参加しないこと等を要求する行為
人に対して、国・地方公共団体等が行う売買、貸借、請負等の契約の入札に参加しないこと又は一定の価格その他の条件で入札の申し込みをすることをみだりに要求する行為。
◇26号◇ 公共事務事業の契約の相手方とすること等を要求する行為
国・地方公共団体等に対して、その者が拒絶しているにもかかわらず、自己や自己の関係者を国・地方公共団体等が行う売買、貸借、請負等の契約の相手方とすること、又は特定の者を契約の相手方としないことをみだりに要求する行為。
◇27号◇ 公共事務事業の契約の相手に対する指導等を要求する行為
国・地方公共団体等に対し、国・地方公共団体等が行う売買、貸借、請負等の契約の相手方に、下請等の発注や資材・物品を納入させるように指導・助言等をすることをみだりに要求する行為。

準暴力的要求行為の規制

「準暴力的要求行為」とは、指定暴力団員以外の者が、指定暴力団員の行う暴力的要求行為と同様に、暴力団の威力を示して暴力団対策法第9条に掲げる不当な要求行為(27類型)を行うことをいいます。
次の二つの準暴力的要求行為が禁止され、違反行為には中止命令又は再発防止命令が出されます。

◇準暴力的要求行為を第三者に要求等する行為
指定暴力団員が指定暴力団員以外の者に対して、その指定暴力団等の威力を示して準暴力的要求行為を要求し、依頼し、唆す行為を禁止しました。
準暴力的要求行為を第三者に要求等する行為
◇指定暴力団員でない者が行う準暴力的要求行為
指定暴力団員ではないが、指定暴力団員と一定の関係を有している者(準構成員・周辺者等)が、その指定暴力団等の威力を示して準暴力的要求行為を行うことを禁止しました。
指定暴力団員でない者が行う準暴力的要求行為

暴力的要求行為の要求等の禁止

暴力団員を利用して私的紛争の解決を図る行為を反社会的行為であるとして禁止したものです。

  • 暴力団の利用の禁止
    何人であっても、指定暴力団員に対して暴力的要求行為(暴力団対策法第9条で禁止している27類型)を要求し、依頼し、または唆す行為を禁止しています。
  • 暴力団員に対する助勢の禁止
    何人も、指定暴力団員の暴力的要求行為の現場に立会い、指定暴力団員が行う暴力的要求行為を助けることを禁止しています。

暴力団事務所等における禁止行為

暴力団対策法では、暴力団事務所やその周辺において、指定暴力団員による次のような行為を禁止しています。

  • 組事務所に組の看板や代紋等を掲示すること
    指定暴力団の事務所の外側等に、付近住民又は通行人に不安を覚えさせるような表示や物品を掲示することを禁止しています。
  • 組事務所周辺で粗野な言動や威勢を誇示すること
    指定暴力団の事務所又はその周辺で、指定暴力団員が、著しく粗野若しくは乱暴な言動を行い、又は威勢を示すことにより、付近の住民又は通行人に不安を覚えさせるような行為はできません。

~追加~ 平成20年5月暴対法の一部改正

  • 損害賠償請求等の妨害の禁止
    指定暴力団員に対する損害賠償や暴力団事務所の使用差し止め請求をしている者を威迫し、請求者やその家族につきまとうなどの行為を禁止しています。
  • 対立抗争に係る賞揚等の禁止
    対立抗争等において殺人罪等で服役した構成員に対して、慰労・賞揚する目的で放免祝いとして金品等を供与する行為を禁止しています。
  • 暴力団組長の使用者責任の規定
    指定暴力団員が恐喝やみかじめ料徴収などの資金獲得活動を行うについて、他人の生命、身体又は財産を侵害した場合、当該行為を容認し、統制していることを根拠に、代表者である組長に損害賠償責任を負わせることとした。

~追加~ 平成24年8月暴対法の一部改正

  • 特定指定暴力団に関する規定
    指定暴力団同士による対立抗争が発生した場合、公安委員会が該当する指定暴力団を「特定抗争指定暴力団」として指定し、警戒区域を定めます。区域内では組事務所の新設、抗争相手の居宅付近のうろつき行為や暴力団事務所への立入りが規制されます。
  • 指定暴力団員による危険な暴力行為が発生した場合、公安委員会が該当する指定暴力団を「特定危険指定暴力団」として指定し、警戒区域を定めます。区域内では、不当な要求行為を行った者に対する直罰、不当な要求行為目的の面会要求に対する中止命令、暴力団事務所の使用制限命令などの規制がされます。
  • 都道府県暴追センターが暴力団事務所使用差止を請求
    暴力団事務所を自分たちの地域からなくしたいと願っても、暴力団からの報復を恐れて、立ち退きの訴訟を起こせない場合もあります。そこで立ち退きを求める住民に代わって、都道府県暴追センターが原告として暴力団事務所使用の差止請求訴訟を行うことができるよう制度が導入されました。

3.被害予防・救済等のための援助

  • 暴力的要求行為の被害者に対する援助
    指定暴力団員からみかじめ料徴収等の暴力的要求行為を受けた被害者は、公安委員会(警察)に対し、被害回復のための援助を申し出ることができます。
    この制度は、被害者が暴力団員と対等の立場で、被害回復の交渉ができるようにすることを目的としています。
  • 被害予防のための事業者に対する援助
    暴力団対策法では、企業等に対し、暴力団からの不当な要求による被害を防止するために、公安委員会や都道府県暴追センターが種々の援助を行うことを定めています。
    事業者が、不当要求防止責任者を選任し従業員に対して不当な要求への対処方法について指導を行うなどの措置を有効に行えるよう、資料の提供や助言等必要な援助を行います。
  • 離脱希望者に対する援護
    公安委員会は、暴力団からの離脱を希望する者に対する就業の援助等暴力団員の社会復帰のための援護の措置を暴追センターと役割分担しながら行っております。
    離脱希望者の円滑な社会復帰が可能となるよう、社会復帰対策協議会への 協賛企業としての加入等によるご協力をお願いします。

平成23年4月愛知県暴力団排除条例が施行されました。

平成23年4月愛知県暴力団排除条例が施行されました。

 

この条例は、愛知県から暴力団を排除するため、


   ・県、事業者、県民が果たすべき責務
   ・暴力団の排除に関する基本的施策
   ・暴力団排除に関する禁止行為
   ・暴力団排除特別区域における禁止行為

 

等について定めています。

 

《愛知県暴力団排除条例の概要》
 愛知県暴排条例概要
 愛知県暴排条例全文

困ったら、悩まず、迷わず、まず一度ご連絡・ご来訪ください。お電話でのお問い合わせ:TEL 052-883-3110/月~金曜 9:00~17:00(祝祭日、年末・年始を除く)

  • 暴力団に負けない!その時のための撃退HOW TO ハンドブック

    ガイドブックをPDF形式にてご覧いただけます。
  • 暴力団対応のてびきQ&A

    暴力団の典型的な不当要求とその対処法を「Q&A」形式により解説します。

  • 情報公開

    平成14年4月1日から当県民会議が管理する文書を開示することになりました。

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