暴力団員との養子縁組

case
Ç暴力相談事例暴力団員との養子縁組

相談の内容

市職員から「管内に居住の独居老人(A女)で家族もなく身寄りは高齢の実妹のみ、本人は脳梗塞で入院し寝たきりである。A女と暴力団組員との養子縁組届けが提出され、その通知が妹の所に届いたが、妹は何も聞かされてなく、姉に確認したところ『全く知らない、相手の男も知らない。』と言っている。」妹さんを連れて行くので相談に乗って欲しいとの連絡

聴取結果

  • 暴力団員と養子縁組した事実はない
  • 相手の暴力団についても知らない
  • 姉には相当の資産がある

当番弁護士ほか3名が受任

  • 財産目当ての偽装養子縁組と思料され、弁護団を結成

警察との連携、支援

  • 警察本部、所轄警察署と協力し支援
  • 養子縁組をした本人及び保証人も組員と周辺者と解明

訴訟の提起

  • 養子縁組の無効確認訴訟を提起
  • 8回の公判をするも、原告側は「原告は養子縁組の意思も能力もなかった」と主張し、被告側は「原告に何度も頼まれたので養子になった」と主張し、双方とも平行線であった。

和解

裁判所から

  • 両者、協議離縁に合意し、原告がその届け出をする。
  • 原告が離縁に伴う解決金を支払う。

との和解案が提示された。

弁護団で検討したところ「和解は否決して判決を求めるべき」との意見と「係争中に原告が死亡した場合、全財産が相手に渡る危険があるので和解に応じ、被害を最小限にとどめるべき」との意見に分かれたが、妹の「私も姉も高齢であり、早く解決して安心したい」との意向に沿って和解に応じることとした。

解決

市役所が離縁届けを受理して、暴力団との養子縁組は解消され財産を保全した。